2005年1月
睦月

2005年2月5日(土) 久しぶりの休日とアイーダ

 Tarlinは、夜勤に土・日返上のお仕事も一段落して(・・・というより、現実から目を背けて)、久しぶりに穏やかな土曜日を迎えました。 そして今日は、大阪のMBS劇場へ劇団四季の「アイーダ」を観に行きました。実は、会社の福利行事の一環で、本来であれば、TarlinとErill合わせて2万円を超えるS席のチケットが4500円で手に入ったのです。昨年は全く四季の公演を観に行っていなかったので2003年12月の「美女と野獣」以来ということでとても楽しみにしていました。
 いつものように、学研都市線に揺られて劇場へと向かいましたが、ここで、大きな過ちを犯してしまったことに気付きました。座席が後ろの方(自分たちでチケットを取る際にはインターネットの「座席こだわり予約」をするのですが、何と言っても今回は配給チケットの為、いたしかたありません)だと分かっていたにもかかわらずオペラグラスを忘れてしまったのです。ボーイスカウト時代より「備えよ常に」を人生の教訓とし、Erill にも常々、教唆してきた Tarlin にとっては痛恨の失態でしたが、Erill に甘く見られないよう黙っていました。 そうこうするうちに劇場に着いて、キャスト表を手に入れると、な・な・なんと、主役であるアイーダ役が濱田めぐみさんなのです。期待は一気に沸点に達する反面、オペラグラスを忘れてきた我が身を呪いました。 しかし、このままではせっかくの濱田めぐみさんの演技を遠巻きにしか見れないという痛恨事を重ねることになってしまいます。 また、いずれ、Erillからも「遠いからオペラグラス貸して・・・」などとノーテンキな事を言われるに決まってます。そこで、Erillにオペラグラスを忘れてきたことを申告して、売店へと買いにいきました。倍率の小さいショボショボのオペラグラスでしたが、それでも無いよりずっとマシということでなんとか表情などを細かに観ることができました。京都劇場では、買うのではなく、そこそこ性能のいいものを借りるという方式だったのですが、できれば、こういう方法がいいように思いました。
 感想などは、いずれまた「星の竪琴」の中で紹介したいと思っています。 感動の内に公演も終わり、そのあとは、昨年の12月に行って気に入ったオランダ料理店「アウデ・カース」で夕食をとって帰宅の途に着いたのでした。 久しぶりにリラックスした一日でした。

   
          

2005年2月2日(水) ガラストップコンロ来る

 台所にガラストップコンロがお目見えしました。それは、3週間前のこと。3口あるコンロのうち、一番よく使っていたハイカロリーバーナーのボタンが全く効かなくなったのです。ハーマン製のこのコンロ、Tarlinによると買ってから5年くらいしか経ってないのに、壊れてしまったとのこと。この際、メーカーを替えて新調することにしました。これで、一度はErillの背丈に合わせて流しを高い物にリフォームしようとハウスメーカーの工房まで見学に出かけたことも(結局は、今使っている流しが平均の高さと分かり、話はつぶれましたが)無駄足に終わらず、ハウスメーカーの担当者にも面目が立つ、というものです!?
 新しいコンロは、リンナイ製のガラストップ。内炎式で、火加減も上々。タイマーも付いていて、便利です。さて、Tarlinにはどうしても試してみたいこだわりがありました。グリルでパンを焼くと、オーブントースターなんかよりも、ずっと綺麗にに美味しく焼けるというのです。事実、Erillの両親宅ではオーブンレンジが故障したので、試してみると綺麗に焼けるというのです。
 ハウスメーカーの担当者に交渉して、グリルでパンを焼くための専用のプレートをちゃっかりサービスしてもらい、いざ、試してみました。普段は台所に立たないTarlin、今回はErillに任せられないと、自分で説明書を見ながらタイマーを見つめています。一分の余熱後、パンを入れて3分さて、焼き上がりは・・・・
 ムラのない、見るからにきれいなきつね色。食べてみると、香ばしくて、本当にオーブントースターよりも美味でした。これからずっと、パンはグリルで焼くことになりそうです。

2005年2月11日(金) ほのぼの結婚式 & 披露宴

 今日は、Erillの大学院時代からの友達の結婚式です。披露宴で歌を歌うことになっていたのですが、ちょうど一週間前から真冬の乾燥のせいか何なのか、喉が荒れて痛くなり、月曜日になっても治らないので近所の耳鼻咽喉科に行って薬をもらい、昨日辺りから落ち着いて来て、歌えそうな感じになり、ほっと一安心です。
 本日の会場は大阪の森ノ宮にあるホテルです。受付も頼まれていたので、開演より1時間20分ほど早めに着いて、一足早く宴会場でカラオケの音合わせをさせてもらいました。会場に入ってびっくり。6階にある和風の大広間なのですが、高砂席の背面にあたる壁が全部ガラス張りになっていて、大阪城公園の緑と、天守閣のパノラマが間近に迫っています。先週、アイーダを観たMBS劇場も見えるではありませんか。見事な眺望に、披露宴への期待は高まるのでありました。
 受付も無事終わり、いよいよ開宴です。和風会場に合うように、新郎新婦は和装でのご入場。Erillの友達の新婦さんは、赤い打ち掛けに文金高島田。細っそり顔なので、綿帽子や角隠しをしなくても、とてもよく似合い、実に素敵です。新婦さんは、いつも笑うと線のようになる目がとてもキュートなのですが、今日はそれが一際で、きらきら輝くような笑顔。新郎さんは、初めてお会いしたのですが、落ち着きながらも温かい、どこか少年のような純朴な雰囲気で、二人ともとてもお似合いです。
 今回は披露宴に人前式が組み込まれている形になっていて、まず、新郎新婦が指輪を交換し、司会者の相図で場内一斉に二人の結婚を祝福する拍手を送ります。Erill、こういう形の式は初めてだったのですが、なかなかアットホームで、みんなで二人の結婚に立ち会い、祝福するという雰囲気が強く出て、いいものですね。新郎新婦が鏡開きした酒樽の酒で乾杯して、主賓のスピーチのあと、一部は終了しました。
 二部は、新郎新婦さんは洋装で登場。新婦さんのオフホワイトのドレスが、とても似合っていて、可愛らしく、白いバラに紫ピンクや杏色のバラをあしらったブーケと髪飾りがとても素敵です。まずはケーキカットから始まったのですが、ここでハプニングが。三段重ねの生ケーキに入刀したのですが、、何と、ケーキからナイフが抜けなくなってしまい、最上段が斜めに返ってしまったままに。これが、また愛嬌があって、何と和やか。出番が近づくに連れ、緊張がピークに達しつつあったErill、おかげでリラックスできたかも、です(^。^)。
 スライドショーのあと、順番が回ってきました。2分で短いスピーチをした後、映画"Sound of Music" から"Climb Every Mountain"という歌を、カラオケで歌いました。実は、Erill、3週間くらい前にTarlin母様の紹介でヴォイストレーニングを一度だけ受けていたのですが、その時の先生のアドバイスを思い出して、両足の内側に力をかけよう(要するに踏ん張ろう)としたのですが、緊張で足はわなわながくがく、全く言うことを聞きません・・・ それでも、マイクの力と場慣れの効果(実は、自分たちの結婚式でTarlinが伴奏し、Erillが歌うという妄挙に出ている)偉大で、無事歌い切れました。
 その後は、新郎さんの親族ご一同が「信濃の国の歌」なる歌を合唱し(やはり、自然の美しい所、お国自慢なんですね)、朗らかで和気藹々としたムードのうちに、お開きとなりました。新郎新婦さんの温かでどこかのどかな人柄がにじみ出た、ほのぼのした幸福感の漂った、とても素敵な披露宴でした。
 友達の話では、Erillの歌はわりと好評だったみたいで、一安心です。それにしても、結婚式って、いいものですね。 

2005年2月12日(土) すき焼き & 自宅カラオケパーティー

 毎年、我が家では1月に「Tarlin 姉の里帰り」と称して、姉一家を招き、すき焼きパーティーをします。何故、すき焼きなのかは定かではありませんが、まぁ、招待する方も、材料さえ準備すれば、その後は比較的手間いらずということでお手軽ではありますな。
 そんな、1日の始まりに、Erill が「薬局に行ってくれない?」と言うので、「いいけど、どうしたの?」と問うと、「たこの吸い出し買うの。」と宣うではありませんか。「たこ・・・? (? ?);」、 なんでも、おできの治療薬らしいのです。(し、しかし、怪しい名前ですな) まぁ、それはさておき、「ということは、まさか・・・再発?」と問い返すと、「うん」。 とりあえず今日は土曜日で幸い、以前通っていたお医者さんが診療しているということで、「たこの前に、医者に行くのじゃ」と「痛いから嫌っ」という聞き分けのない子供のようなことを言う Erill を引っ張って医者に連れて行きました。なんでも、前回と同じ処置をされると、待合室にまで響き渡る悲鳴を上げるとのことらしいので、保護者の立場で、その場にいるのもいたたまれない気がして Tarlin は近くのスーパーで待つことにしました。すると、携帯に Erill から「嫌だ〜」・「気が重い・・・」などの繰り言メールが続々と入ってくるので、さすがに不憫に思っていると、「小さいから切らなくてもいいって るんるん」という、スーパーブルー状態から一気にテンションが回復したメールが入ってきて、まずはやれやれと事なきを得たのでした。

 さて、パーティーの方は、母が、沖縄旅行の際に買ってきてくれた泡盛の12年物の古酒を飲みながらしずしずと進んでいきましたが、姉一家の子供達も大きくなり、「今まさに育ち盛り・食べ盛り」ということで1時間ちょっとで全て平らげてしまいました。 もっとも、姉が今夜のために昼食を抜いてきた効果も大きいようですが・・・
 で、その後は、Erill が友人の結婚式で歌うために登録していたインターネットカラオケでカラオケ大会となりました。 いきなり「マツケンサンバ」から始まるノリノリ状態で、「マイクはないの?」とか言い出す始末。そんな近所迷惑なものはありませんということで、最後には今度は本物のカラオケボックスに行こうということになりました。
 何はともあれ、美味しいお酒と共に、賑やかに夜は更けていったのでした。

 本日は、バレンタインデー。Erillも去る10日に調達してあったチョコレートを、Tarlinに贈呈しました。
 これまではベルギー産のヴィタメールのチョコレートを梅田で買っていたのですが、人間社会への奉公を停止してからというもの、梅田に出る機会が減ったErill、今年は奈良は西大寺のデパートにて調達することになりました。
 チョコはベルギー産、という思い入れのあるErill、Godivaはあまりにメジャーなので素通りし、西大寺のこのデパートでおいてある他のベルギーチョコを探したら、St. Gallerなる銘柄を発見。トリュフの詰め合わせで適当な個数を探したのですが、ショーケースに見あたらず、カタログで見つけて、店員に尋ねると、あえなく売り切れ。仕方なく、隣のフランスのトゥール・ダルジャンなるレストランのチョコレートを買い求めました。しかし、こういうチョコレートは試食が出来ないので、どいいうお味なのか掛けになるのが、ちょっと厳しいところです。
 理系らしく数値にこだわるTarlin、もう買ってあるので早めに渡そうか、と二日前に訪ねたところ、それでは興がそがれるので、当日にして、とのたまいます。その希望通り、本日進呈となったわけです。そして、チョコレートは必ずErillも味見をすることになっています。
 今回のフランス製のチョコレートは、とってもミルキーで中のプラリーヌもとろけるように滑らかでクリーミ−、ミルク系のチョコレートが好きな私達には、大変好みの味でした。でも、ベルギーチョコの、ミルキーながらカカオのビターさがしっかりと味を引き締めている上質な味わいには、チョコレート本来の味を引き出している、という点でかなわないかも、です。
 さて、「おいらのなのに、なんでErillも食べるわけ?」と疑問をぶつけるTarlin。そもそもチョコレートなんて男性より女性の方が好きな場合が多く、夫や家族、恋人に送っておけば送り主もそのチョコレートを確実に味わうことが出来るので、この日本だけの奇妙な行事がここまで普及したのでは、と思うのですが、いかがでしょう?まあ、甘党でない人には、チョコ以外の物を送って、その特権を行使できないケースもあるようなので、酒好きでありながら甘味も受け付ける夫を持ったことに、心より感謝する一年のこの日なのでありました。 

2005年2月14日(月) トゥール・ダルジャンのチョコ

 最近ハードな勤務が続いていたTarlin、それをねぎらってでしょうか?会社の常務様から、また大阪フィルハーモニーの定期演奏会の招待券が舞い込みました。おかげで、毎年恒例のように大阪フィルの演奏会に出かけています。ところで、チケットを頂くのは、いつも決まってこの時期です。毎年、この時期になると期待を抱いてしまいそうです・・・
 Erill、人間社会奉公時代に習った着付けを少しでも忘れないようにと、今回は着物にしてみました。40分でなんとか着付けて、いざ大阪まで出かけました。
 今回の会場は、シンフォニーホールです。会員用招待券は開場の30分前から当日券売り場で座席券と引き換えます。その15分前に着くと、すでに10人が並んでします。その後も、招待券列はどんどん後ろに延びていきます。みんな少しでも良い席で聴きたいんですね。
 開場までは、吹きさらしの戸外で待つことになります。ようやく開場して、中で暖かな室温にほくほくしていると、Tarlinが現れました。開演前の一時、サンドイッチを頬張り、ワインをたしなんでいると、やはりこれまた去年も定期演奏会の会場でいっしょになったTarlinの大学時代の恩師の先生がいらっしゃったではありませんか。さっそくご挨拶をすると、先生は定期会員で毎回いらっしゃっているとか。さすが、違います。先生の近況や、本日の指揮者の前情報など、ひとしきり雑談を楽しんでから、ホールに入りました。
 今回の演目は全曲フランス物で、一曲目がシャブリエの歌劇「クヴァンドリーヌ」序曲、二曲目がサン=サーンスのチェロ協奏曲、三曲目がフランクの交響曲第二番。詳細な感想は、後日の「星の竪琴」に譲りますが、新進気鋭の指揮者、阪哲朗の洒落たセンスと、フランスの作曲家独特のエスプリの効いた旋律と色彩感覚がよく合っているのか、オーケストラが実に彩りも音量も豊かに華やかに鳴っていました。
 最近、やり直しピアノがマイ・ブームのErill、普段もっぱらピアノ曲ばかり聴いているので、オーケストラって、こんなに鳴る物なのか、と改めて驚いた次第です。しかし、「な、鳴り過ぎ!?」と思うのはフランス流の派手な音色のせいなのか、ピアノの音ばかり聞き過ぎのせいなのか。う〜む。
 帰りは、JR新福島駅に向かう途中のスペイン料理のお店に、コンサート帰りの人を対象に「シンフォニー割引」なるワンドリンク無料サービスにつられて入り、ほどよくスパイスの効いたパエリャやスペイン風オムレツを賞味し、家路についたのでした。
 

2005年2月17日(木) 「鳴る」大阪フィル定演

 Tarlinは昨日金曜から本日土曜まで、福井に出張。Erillは、高校時代の友達の家にお邪魔ましました。昨年12月に我が家に来てもらった友達です。友達は、ちょうど大阪と京都の中間に位置する便利な区域に住んでいます。車窓から京の家々の間に咲く梅を見ながら、春の兆しを感じつつ、最寄り駅の高槻で下車したのでした。
 友達の家のある所は、Erillも結婚前に暮らしていたご近所です。たった数年で随分、駅前の様子が変わり、JRの駅前には大きなドラッグ・ストアや、駅に連結した高層マンション、大型スーパー、シネコンまで出来ています。大阪や京都に出なくても、充分用が足せそうです。京都の果てに住んでいるErill、その便利さがうらやましいような、少し緑が見えなくなって淋しいような気分で、友達の家に向かいました。
 着いて、まず驚いたのは、お嬢ちゃんの成長ぶり。2才の可愛い盛りまっただ中の、元気な女の子です。実は、昨年12月に我が家に来てもらって、その一月後の1月にErillの方から一度訪ねているので、ここ3ヶ月間は一月ごとに会っているのですが、その度に変わり様が目に見えて分かるのです。1月に訪ねた時は、12月にはまだ少なかった言葉がどんどん出るようになっていました。その時は、元気さのあまりあちこち動き回って、歯磨き一回を終えるまでに、おもちゃで遊んでみたり、心の趣くまま飛んだりはねたりていましたが、今回は、ぐっと落ち着き、お母さんが「歯磨きしようね」と言うと、そのまま最後まで歯を磨いています。この時期の子供は日増しに心も体も成長し、どんどん自律していけるようになるんでね。
 お昼ご飯にチャーハンをご馳走になり、午後は彼女の別の友人の方も来られて、3人でピアノ談義になりました。Erill、初めてお会いした方なのですが、ちょうど期を同じくして子供の時に習って中断していたピアノを再開されたようで、色々と話に花が咲きました。一人ずつ何か弾いてみようということになり、その方はベートーヴェンの「月光」の第1楽章、Erillは練習し終えたばかりのショパンの「マズルカ」4番、そして、大変ピアノが達者な友達には、ベートーヴェンの「悲愴」や「月光」の第3楽章、リストの「愛の夢」などを、ほとんど私達が無理に頼んで弾いてもらったのですが、それぞれに持ち味が出ていました。
 一番上手な友達は、優しい詩情のある、とても丁寧な弾き方。もう一人の方は、とても澄んだ音色の、端正な弾き方。私のは、友達の言葉では、軽い自由な感じのする弾き方(ちょっと嬉しい)、なのだそうです。それにしても、ピアノって、基本的には打楽器で、無機的なようでありながら、弾き手の個性を敏感に反映するんですね。改めてその奥の深さを伺い知りました。普段、電子ピアノで練習しているErill、本物はもっといいのだろうなあ、と妄想が及んでいきます。いつかは欲しい物です、本物のピアノ・・・

2005年2月19日(土) ピアノな午後

2005年2月20日(日) 仏像美術に浸る(・・・そして、たこも来た)

 今日は、Erill のお友達「かじさん」(ホームページも見てあげてね・・・Linksよりどうぞ)のお姉様が大阪で絵の個展を開いているとのことで二人で見に行きました。 場所は大阪天満宮の近くにあるチャクラというアジアン雑貨&カフェのお店です。お店は12時から開店していると言うことなので、お昼ご飯も食べるつもりで12時20分頃に、かじさんからいただいた案内状をたよりに現地へ向かいました。場所は不案内でしたが「まぁ、喫茶店なんだからそばまで行けばわかるべぇー」とたかをくくっていました。しかし、近くまで来ているはずなのですが、お店がありません。確かに案内状の地図では、「かんなみ幼稚園」の真向かい、されど目指すお店は無し。近辺を回遊魚のように怪しく徘徊すること数度。Erill は「お店に電話してみようよ」などとなめたことを言い出すので、「そんな、情けないまねは許さーん」と、さらに徘徊を続けたのですが、いかんせん、場所が「かんなみ幼稚園」の近くということで、このご時世、「怪しい奴ら」と通報でもされて、しょっぴかれてもつまらないので、おとなしく Erill の言うことを聞くことにしました。 そして、Erill が電話をしようとしたその瞬間、「あっ、かじちゃーん」と言って向こうから歩いてくる二人連れの方へ駆けだしたのです。 そうです、Erill の御学友「かじさん」と、個展の主催者であらせられる、お姉様が登場なされたのです。 Erill が「お店、どこか分からなくてぇー」と言うと、「えっ、まだ開いていないのかな。」とお姉様。 (・・) そして、次の言葉は、「やっぱりぃ〜」。 そうなのです。本日の会場、12時から営業しているはずの会場「ちゃくら」は、「かんなみ幼稚園」の面前に、堂々と、そして、およそカフェの風貌をなさず、しかもシャッターを降ろして建っていたのでした。
 それはさておき、カフェの中は、外観からは想像もつかないほど、通な人には洒落たと感じられる佇まいをしていました。 そしてそのムードタップリの室内に、お姉様の力作が壁いっぱいに展示されていました。 仕事の片手間に描いてらっしゃるとのことなのですが、とてもそのようには見えない素晴らしい仏像美術です。 どの絵も色づかいが美しい上に、特に素敵に思ったのが、描かれている絵の手から指の線が綺麗なのです。 かじさん、お姉様とおしゃべりをして、スパイスのよく効いたカレーとモンゴルパンというお店の名物を食して、4時頃にお店を出ました。

  あっ、そうそう、ひとつだけお話しておかないといけないことがありました。 昨日の晩のこと、我が家にあるものがやってきたのです。 Erill が心待ちにしていたもの、 Erill の救世主。そうです、たこです。「たこの吸出し」なのです。母上が買い物に行ったときに、買ってきてくれたそうなのです。 実は、Tarlin も Erill から「薬屋さんみつけたら、無いか聞いてみて」と言われていたのですが、いざ、店員さんを前にすると、「た・た・た ・・・もう、いいです。」となってしまい聞く勇気が無かったのですが、さすが母上、何の躊躇も

なく聞き、最初、若い店員さんでは埒があかなかったので、薬剤師の先生を呼んでもらって、GETしてきたそうです。 はっきり言って、 Tarlin には、アン・ビリーバブル なお話です。 さすが米国の空襲をくぐり抜けて来た方は違いますな。