2004年5月
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 沖縄の海でシュノーケル中の事故で亡くなる人が増えているという記事を読みました。ほとんどが初心者で、シュノーケルに入ってきた海水を、強く息を吐いて外へ出すシュノーケル・クリアが出来ないため、パニックになり溺れてしまうのだそうです・・・ 
 ここ数年、毎年のように泳ぎの達者なTarlinと南の島に行っているErill、実のところあまり泳げない(ほとんど金槌)上、シュノーケルクリアも成功率は3割程度ときているので、このニュースは人ごとではありません。万一のことが怖いので、Erillの場合、シュノーケルの時は必ずライフ・ジャケットを着用しています。ツアー主催者やホテルで貸してもらえることもありますが、借りられない場合のために、自分用のライフ・ジャケット(正確には浮力補助のためのフローティング・ジャケット)を購入、海辺に持って行くようにしています。すいすい泳いだり潜ったり出来る人達の中で、一人だけライフ・ジャケットを着けるのは最初は格好悪い気もしますが、一度使い始めると、これがとにかく快適。少し休みたくなったり、シュノーケルに海水がたまって上手くクリア出来ないときは、迷わずシュノーケルを口から外し、くるっと回転して背泳ぎ姿勢になり、洋上にぷ〜かぷか♪非常に楽ちんだし、子供の頃に海水浴で味わった浮き輪で波に身を任せる心地よさがよみがえります。第一、何かあっても(ライフジャケットが流れた場合は別ですが)必ず浮くという安心感があります。これなら、少々のことでパニックにならずに、落ち着いて行動できるというものです。
 ライフジャケットは自分で持っていなくとも、ツアーに参加する場合、たいていは借りられるはず(用意のない業者は、悪徳業者です)。個人でシュノーケルする場合も、泳ぎに自信のない場合は、宿やダイビングセンターからライフジャケットを借りられるなら借り、無理なら自分で買ってでも用意すべきでしょう。自分の命を守るのは、自分なのです。また、機材をレンタルする施設・業者は泳げない人のライフジャケット着用を徹底して呼びかけるべきです。車に乗る時は「シートベルトを忘れずに」なら、水泳初歩者のシュノーケルの時は「ライフジャケットを忘れずに」がマナーとなれば、初歩的な事故も減るのでは、と思ったニュースでした。

2005年10月5日(水) シュノーケルとライフジャケット

 虫の音が長い夜に沁みます。昨日、一昨日と、爽やかな秋晴れでしたが、今日は少し雨模様。今週末の三連休の中日9日に立山への日帰りツアーを予約しているTarlinとErill、一週間前はよくなかった天気予報も、日が近くなるにつれ徐々に好天、少なくとも「一日中雨」ということにはならずにすみそうです。
 この時期の立山アルペンルートは、紅葉の最盛期。特に大観峰から見る立山山麓から黒部湖畔にかけての一面の紅葉は圧巻とか。私たちのバスツアーは福井から室堂まで往復直行、室堂で自由時間が5時間あるので、室堂からトンネルトロリーバスで大観峰まで行き、あわよくば黒部平まで下りる立山ロープウェイに乗って綾錦の大パノラマを堪能するつもりでした。しかし、しかし、紅葉の最盛期は、人出も最盛期。黒部立山アルペンルートの年間来訪者数の3割がこの時期に集中しているそう。アルペンルート公式HPの混雑予想によると、ことに連休中は乗り物は一時間半以上の待ち時間(T_T)。
 大観峰は諦めて、室堂付近をゆっくりトレッキングしようと思います。できたら、天狗平まで歩いてみたいなあ。登山の装備があり、天候が安定していれば、一ノ越まで往復しても楽しいのかもしれませんが、今回は何の準備もないし、不安定な秋山なのでやめておきます。
 当日まで、あと二日。(ついでに、「チャングムの誓い」NHK総合での放送まで後一日(笑)。)すこしでもいいお天気に恵まれますように。

2005年10月7日(金) 秋の天気

 立山日帰りツアーの朝。福井の空は、さい先良く晴れています。前夜遅くまで「チャングム」初回放送を見たせいで眠い目をこすりながら、バスに乗り込みました。さあ、これから一眠り、と思いきや、ガイドさんの説明が始まります。曰く「今日はきっと、山の上もいい天気でしょう。」 年季の入ったしゃべり方のベテランガイドさんのようですが、これが「本当に北陸の方ですか?」と尋ねたくなるような、賑やかな関西風ギャグの連発。確かに面白いのですが、大自然の懐に呑まれに行くのに、ちょっと情趣がないかも、です(^^;
 バスが富山に入り、立山の麓に近づくに連れ、雲がかかってきました。そろそろ見えているはずの立山も見えません。「9月23日のツアーも下は曇っていたのに、2000mを越えるところで雲を抜け、青空が広がりました。今日もきっとそうなります!」 それを裏付けるように、途中の電光表示板には「室堂 晴れ 気温8℃」と出ています。素晴らしい紅葉が臨めるかも、との期待を乗せて、バスは山中へと登って行きます。
 標高1000mを越えた辺りから、雲の中に入りました。ナナカマドや漆の朱色、ブナの黄色が鮮やかです。が、いかんせん、見えるのは沿道の周りだけ。あとは全て暗い白に呑まれています・・・「2000mを越えれば、雲を抜けますよ。」と、ガイドさん。しかし、その励ましの声も空しく、白い霧がたち込める中、バスは室堂に到着しました。
 立山の主峰の反対側、展望がよい大観峰へ向かうトロリーバスには、この混雑でも待ち時間なく乗れるようなので、行こうとしましたが、大観峰のライブ映像を見ると、そちらも霧で真っ白です。観念して、室堂を散策し、高山の雰囲気だけでも味わうことにしました。室堂は、霧でも凄い人出。「午前中は綺麗に見えていたのに、もうだめね」の話声が聞こえます。午前中なら見えてたんですね、残念(>_<)。
 霧は思ったよりひどく、すぐ下のみくりが池の水面すらも真っ白で見えません。 元来が閉所恐怖症の Tarlin に至っては、周りがよく見えないことに、すっかり落ち込んで虚ろになっています。元気を出すために、「何か歌でも歌おうか?」と提案すると、「ドナドナ」を歌い出す始末です。

2005年10月9日(日) 大観峰綾錦

 が、しかし。この中にも大観峰の様子を写すライブカメラがあり、見ると、ガスが途切れ、黒部湖の碧い水と、紅と黄に染まる山肌が見えつつあるではありませんか。
 やはり、あきらめてはなりません!TarlinとErill、とっさの判断で再びトロリーバスの乗り場に急行。10分間、岩のトンネルをくぐり抜け、大観峰に出ると・・・・・・・・・

 すると、「キキキキキ キキキキキ」と、カジカ蛙の声をさらにキーキーと大音響にしたような、けたたましい鳴き声が響いています。その声の方向に、カメラを向けた人垣が並んでいます。声の主は、雷鳥さんではありませんか。黒い夏毛に白い冬毛のまだら模様の雷鳥さんが一匹、露に濡れた草の上に佇んでいます。お天気が悪い日に出てくる雷鳥、もしかして、今日の唯一の収穫かも・・・と思いつつ、雷鳥の姿をカメラに収め、さらに悪くなる視界の中、持ってきたおにぎりで軽く昼食を済ませると、屋内で展示でも見ようとビジターセンターに入りました。

 黒部湖に向かって下りていく山の斜面が一斉に紅葉を迎え、黄金から紅の目の覚めるような色彩が、一面に広がっています。遙か下には、黒部湖の淡い碧。湖の谷の向こうに聳える前立山連峰は、山肌に白い雲をまとい、その白がかえって神秘的に、紅葉を一段と引き立てます。まさに息を呑む絶景です。10分も経たない内に、再びガスが巻き始め、渓谷は白く閉ざされました。
 密かな期待を胸に室堂に戻ると、そこは、やはり一面の白の世界。大観峰で一気にテンションを回復した Tarlin も、消えゆく蝋燭の如く、トーンダウンしていきます。それでも、一瞬でも晴れないかと外で佇み続けるも、霧は夕方まで晴れることはなく、諦めてホテル立山に入り、お土産を買い込んで、バスに戻りました。まあ、今回はもともと下見のつもりだったし、最大の目的、大観峰からの紅葉は見えたので、よしとしよう、などと話していると、下山の時が近づいた夕方の4時過ぎ、霧が上り、夕日に照らされた山影が現れ始めました。慌てて皆で外に出ると、山裾にうっすらと霧を引きつつ、富士ノ折立から主峰雄山、浄土山の峰々が神々しい姿を現しました。

 思えば1○年前の夏、Erillが雄山に登った時も、午前中は晴れていましたが、午後から夕方にかけてはガスが出てきました。上高地に行ったときもそう。午前中は晴れ、午後からは穂高は雲隠れのパターンがほとんどではありませんか。(いや、運が良ければ一日中、山が見えるのでしょうけど)。今回の教訓:
   1. 山は午前中に行くべし。
   2. ここぞという所は宿泊すべし。
 今度行く時は自由旅行で、室堂で最低1泊はするようにスケジュールを組みたいと思います。

 Erill両親が来て二日目。今日は東尋坊、永平寺を回って石川県に抜け、山中温泉に入る予定。日中の観光はTarlinが車で案内してます。
 朝9時にホテルで両親を拾い、まずは東尋坊へ。秋の観光シーズンのただ中、団体さんで夏よりも賑わっています。最初は曇っていましたが、そのうちに青空が広がり、海も蒼く映えています。しかし、波は夏よりも荒く、岩にかぶる寸前まで高く上がり、冬の入り口を感じさせます。遊覧船も大きく揺れています。乗っている人はきっと船酔いで・・・(以下自粛)。両親も日本海の風光を楽しんでいる様子で、特に気まま者の父親は我々が案内しようとする道筋などお構いなく、好きな方向に歩き回っています(^_^;。さっと見て次へ行くつもりが、一時間以上は日本海の風景を堪能しました。その後、雄島で記念撮影をしてから、永平寺に向かいました。
 永平寺の手前の「りうぜん」という蕎麦屋で昼食。古民家を利用した蕎麦屋で、杉の切り株をそのまま使った食卓と椅子も味があります。歯ごたえのしかかりした10割蕎麦を、昆布と椎茸の精進風あっさり出汁で上品に仕上げ、今庄の「おばちゃんの店」と甲乙つけがたい美味しさでした。
 永平寺で禅宗道場の空気に触れた後、今宵の宿、石川県の山中温泉へ。翌日月曜はお仕事のTarlinとは、旅館の玄関でお別れです(;_;)。でも、大丈夫。また来れば・・・。旅館は、「よしのや依緑園」という創業800年の山中温泉でも一番の老舗。昭和天皇や川端康成も泊まったという古いながらも落ち着いた雰囲気です。部屋に案内されてびっくり。玄関(?)を上がると、まず二畳の部屋、続いて三〜四畳の二間の前室があり、その次に十五畳の客屋。その奥の窓辺の洋風の空間は、普通は縁側程度の広さですが、ここは六畳くらいあります。窓からは鶴仙渓の緑とせせらぎ。「じゃらん」のお得なプランなのに、この立派さは何?仲居さんの話では、今日は大きな団体が入っていて満室、通常の部屋は団体でいっぱいなので、個人客はみなこの格上の部屋に割り当てられているとのこと。何と運のいい!
 始めに出るお茶も、これまで泊まったことのある宿はほうじ茶や緑茶でしたが、ここはお抹茶と依緑園オリジナルの茶菓子が出ます。一服した後、外出しようとエレベーターに乗ると、中に「明日のお天気 金沢 晴れ」の貼り紙。小さな宿嗜好のErillですが、今回初めての老舗の大旅館の行き届いたおもてなしと気配りに、すっかり感じ入ってしまいました。
 旅館から歩いてすぐ「こおろぎ橋」に出ます。渓流を左手に、楓の緑の下を「あやとり橋」まで歩き、また宿に戻ってお風呂へ。夕食前の混み合う時間帯で露天風呂は諦めましたが、源泉掛け流しの湯はまろやかで、肌もしっとりと温まりました。
 そして、夕食。福井と同じく京風の味付けですが(山中温泉の場合、料理長の修業先によって旅館ごとに味付けが違うそうです)、さらに洗練され、一品一品趣向が凝らされています。大きな旅館で満室なのに、こちらの食べるタイミングを見計らって、一品一品、温かい物は温かいうちに運んできてくれます。聞けば、仲居さんは三部屋しか担当していないそう。こんなところまで、おもてなしが行き届いています。こうして、至福の夜は、極上の加賀料理とともに更けていったのでした。

2005年10月16日(日) 越前から加賀山中温泉へ

 Erill両親が、徳島からはるばる越前福井の地に2泊3日の予定でやって来ました。はるばる、と言っても徳島(正確にはその南の某市)からまず大阪まで高速バスで約3時間、大阪からは特急で2時間。乗り換え時間も合わせて6時間弱。遠いようで、意外に近いのです。
 Erill両親も朝8時に徳島を出て、1時半には福井に到着しました。Tarlinは例によって土曜日もご奉公ですが、夕食はいっしょにとる予定。それまでは、Erillが両親を福井駅で出迎え、案内することになっています。
 ほとんど半日時間があるので、晴れていれば東尋坊でも行くのですが、あいにくの曇り空。しかも、予報では午後から雨と出ています。とりあえず、市内のホテルにチェックインし、部屋で一休みしてから、歩いて行ける距離にある養浩館庭園に行くことにしました。越前藩主松平家の庭は、曇り空の下、静かに秋の始まりを迎え、楓や桜がうっすら色づき始めています。時折、鯉が勢いよく跳ね、訪問者を驚かせます。屋敷に入り、座敷から池を眺めていると、雨が降ってきました。池を叩く雨音に耳を傾けながら、両親もしっとりした旅情を味わっています。Erillもその様子にほっとしながら、雨が小降りになるのを待ちましたが、雨脚は一向に衰えません。5時半になり、諦めてタクシーでホテルまで戻りました。
 7時前Tarlinと合流、福井駅近くの日本料理屋で会席料理を頂きました。福井の味付けは京風。品のいい薄味と日本海の魚の甘味に両親も喜び、「徳島の魚も新鮮で美味しいと思っていたけど、これはかなわんわ。」と感服していました。
 こうして、初日は無事終了。明日は晴れてくれることを祈りつつ、両親をホテルに送り、家路に着いたのでありました。

2005年10月15日(土) 雨の養浩館庭園

 Erill両親の北陸の旅、三日目にして最終日。朝の楽しみは、やはり温泉。昨日入れなかった露天風呂へ。木漏れ日の中、せせらぎの音を聴きながら、心地よさのあまりに長湯し、ちょっと疲れてしまいました(^_^;。
 朝食も大変美味で、大満足で宿を後にしました。山中温泉から、直通バスで金沢へ。バスは金沢の中心、香林坊を通りますが、古都の町並みは繁華街も落ち着いています。JR金沢駅に荷物を預けて、市内を周遊する小型ボンネットバスで兼六園へ。両親は始めて、Erillは2回目です。以前訪れた時は冬の終わりで、雪吊りはあれど雪はなく、ただ冬枯れていましたが、今の季節は紅葉には早いものの緑に覆われ、断然の美しさです。途中、前田家の奥方のための屋敷、成巽閣に立ち寄りました。「書見の間」のウルトラマリンの蒼色鮮やかな天井や、「謁見の間」の欄間とシャンデリアの豪華さが、目を奪います。豪奢の後は、再び兼六園の樹木の緑に目を休め、金沢城へ。以前は金沢大学がありましたが、数年前に郊外に移転し、跡地は公園として綺麗に整備されていました。お城からは尾山神社に抜けて、再びバスでJR金沢駅に戻るべく、バス停へ。ちょうど3時間の金沢城下散策でした。
 金沢駅で遅い昼ご飯の後、お土産を買い込み、両親は大阪行きの雷鳥、Erillは福井行きの普通に乗り、それぞれ帰途へ着きました。Tarlinへのお土産は、富山名物「ますの寿司」。え、単に夕食を作る手間を省いただけではないか、って?ごもっとも・・・
 こうして、Erill両親への親孝行の三日間は終わったのでした。歩き疲れているはずなのに、朝の温泉効果か、体は軽くぽかぽか。北陸の豊かさに暖かい想い出ができた、秋の小旅行でした。

2005年10月17日(月) 兼六園を歩く

 Erillが子犬のワルツを習い始めてからほぼ一ヶ月。テンポはゆっくり目ですが、何とか一通り弾けるようになりました。さて、Erillのピアノの先生、話し方に特徴があります。「ペダルは下手に使うなら使わない方がいいんですってね。」「ヘンレ版やらペータース版やら原典版の楽譜は、注釈が少ないから学習者は使いづらいんですって。」・・・そう、文末が、「〜ですって。」「「〜ですってね」で、終わることが多いのです。ご自分の知識なのに全て伝聞形でおっしゃるので、柔らかく謙虚な印象です。何てソフトな先生だろう、と感じ入り、ある日、Tarlinに話したところ、「それは、福井弁では通常の平叙文の文末じゃ。伝聞じゃないぞよ。仕事場の福井の人も、普通の文で『ですって』て言うぞよ。」「へ(@_@)?」 
 それから、数日後、立山に行く時、バスの営業所で乗り場を尋ねたら、「ああ、あの辺ですって」。駅で電車の時間を尋ねたら、「次は50分ですって。」 明らかに伝聞ではありません・・・。どうやら、福井弁の「ですって」は「ですよ」って意味ですって。

 韓国歴史ドラマ『チャングムの誓い』ブームの我が家。NHKの吹き替え&カット放送に飽きたらず、字幕&ノーカットを見るべく、GOOの動画配信で1話(無料)と3話(有料)を視聴しました。耳に入る韓国語のイントネーション、「〜ジュセヨ。」「〜シムニダ。」と、文末の調子が結構上がります。この上がり方は、何かに似ている・・・。そう、福井弁も「〜ですって」と言う時、文末のイントネーションが上がるではありませんか。そういえば、徳島のErill両親も剣山で韓国語とよく似たイントネーションを話している人達がいる、と思ったら、福井から来たグループだったとか。思うに、福井の切れ長な目とすっきりした目鼻立ちも、海を隔てて朝鮮半島との繋がりを伺わせます。顔立ちだけでなく言葉も日本海を通して影響があったのかも。

 福井のコマーシャルも味があります。個性的な車で根強い人気を誇る、某自動車メーカー、ホ○ダ。テレビ画面には、穏やかそうな一組の老夫婦。妻が見慣れぬ物に気付き、夫に尋ねます。「あなた、それどうしたの?」「ああ、それ息子にもらったんだ。」 そこで、商品名。「ホ○ダ ハイブリッド除雪機」・・・ああ、ここは冬の雪かきが大変な土地柄なんだ、と実感しました。福井に限らず、雪国では必需品なんでしょうね。除雪機。

2005年10月31日(日) 福井雑感

2005年10月22日(土) こけら落とし公演

 本来であれば、Tarlin のプロジェクトも一段落となり、京都に戻っているはずだったので、10月からは、様々なコンサート等のチケットを購入していました。 しっかーし、ご承知のように現在も、まだ福井にいます。 〜〜〜不幸 (_ _);  それは、いいのですが、コンサートはTarlin のプロジェクトの遅れを待ってはくれません。つまり、これからは、京阪神で行われる公演には、長駆、福井より大遠征を行わなければなりません。 〜〜〜ふ・ふ・不幸(; ;)
そして、その第一弾が、本日。 西宮に新しくできた「兵庫県立芸術文化センター」のこけら落とし公演です。なんと、Tarlin お気に入りの佐渡裕さんが芸術監督をするのですが、その佐渡裕さんが指揮するベートーヴェンの第九交響曲が演奏されるのです。元々、チケットの入手は困難だろうと諦めていたのですが、以前、この日記でも紹介したことのある「サドラー2号さん」のつてで回してもらった貴重な公演なのです。 ですが、こんな大事な公演に、不幸に追い打ちをかけるように、夜・勤・明・け で臨まなくてはならなくなってしまったのです。朝の8時に仕事を終えて、家に戻ったのが、8時30分頃、急いで支度をして、タクシーを呼んで福井発10時7分発の特急「雷鳥」に乗り込んでの出陣でした。

 意識も朦朧とする中、真新しいホールに到着。しかし、ピッカピッカのホールを見て、根っからの新しもの好きの Tarlin の意識も覚醒させられたのでした。 さて、演奏はというと・・・。まず、阪神淡路大震災で亡くなった方を悼むために、G線上のアリアを演奏されて、拍手の代わりに黙祷を捧げました。ここで、驚いたのが、このホール、低弦の響きが素晴らしいのです。重厚でいて、かつ甘美な音が空間に拡がるのです。次は、本日のメイン「第九交響曲」です。

 なんか、Erill が「自分も書きたい」と後ろでうずうずしているので交替したいと思います。(て、忙しいTarlinは、これでお休みモードに入ります)。このホール独特の低音がよく響く音響により、佐渡さんの持ち味である外に向かう熱気と迫力あふれる響きを深めるように、ベートーベンらしい重厚な響きが出現し、素晴らしい第九になりました。特に第3楽章の低弦が歌い上げる旋律は絶品で、いつまでもこの天国にいるような時間が続いて欲しいと思うほどでした。木管も高い技量で、美しい音色。惜しむらくはバイオリン。低弦に比べて響きが弱く、時々音が乱れていました。しかし、熱意に満ちたフレッシュな演奏です。
 この楽団は芸文センターの専属として結成されたばかり。若手を育成する目的で、団員は年齢35才まで、在籍期間は三年が最長なのだとか。現時点での少々の弱さも、この3年でどう変わるのか、これからが楽しみなオーケストラです。
 第四楽章の合唱も迫力満点、ソリストの歌も力あふれ、感動と熱狂のうちに第九は終わりました。数回のカーテンコールの後、ホールの誕生を祝って、何と“Happy Birthday"の演奏。木管と打楽器の数人で、即席のジャズ・セッションも入り、聴衆にとっても、大変粋な、楽しい開館祝いとなりました。また2年半くらい経った頃、このオーケストラを聴いてみたいと思います。

 土曜日の西宮での第九に引き続いて、今日は大阪でリバーダンスの公演。その間ずっと京都に居られたらよかったのですが、最近仕事が詰まっているTarlin、そういう訳にもいきません。ちょうど翌26は大阪で仕事なので、今回は1泊2日の予定で、車で移動。朝8時過ぎに福井を出て、昼過ぎに京都のお家に戻って参りました。チケットを取った時点の予定では京都に帰っているはずだったので仕方ないとはいえ、一週間のうちに福井と京都を2往復とは、さすがにハードです。
 京都に着いて、まずびっくり。空が明るい(@_@)!四国生まれのErill、京都の空は暗いと思っていましたが、北陸に半年暮らし、その暗く澄んだ空に慣れると、京都の空が明るく感じられるのです。北に行くほど空の翳りは深まるのだと、しみじみ。
 夕方まで家で一休みして、いざ大阪フェスティバルホールへ。今回は、Tarlin母様の

2005年10月25日(火) リバーダンス2005

誕生祝いを兼ねて、3人でお出かけです。TarlinとErillには二回目のリバーダンス。前に大阪城ホールで見たときは、かなり前にもかかわらず、足元が人の頭で所々切れて見えませんでしたが、今回の席は左端ながら前から数列目で足元がよく見え、躍動感ある美しいタップを堪能することができました。
 リバーダンスは、端正かつ弾むような足裁きのアイリッシュダンスを中心に、歌、器楽(独奏も)、フラメンコ、ロシアのアクロバット・バレーもあり、盛りだくさんな変化に富んだ内容です。
 第一部はアイルランドの草創期の物語。ソロや男性のみ、女性のみ、混成など、色々な形のアイリッシュダンス。イーリアン・パイプの独奏によるケルト神話の英雄を悼む哀調あるメロディー。踊りの間に登場するケルトの神々に仕える乙女と青年のノン・ビブラートの歌声の透明さ。特にソプラノのソロは、天使の声のようです。

 第二部は、新天地北米に渡ったアイルランド移民の物語。自由を求める心を歌い上げる朗々たるバリトンの独唱。アイリッシュ・ダンサーと、アフリカ系&ヨーロッパ系のストリート・ダンサーのタップ合戦も面白かったですが、極めつけはロシアのアクロバット・バレー。コサック・ダンスはもちろん、女性が男性に手を添えてもらい、女性がしゃがみこんでくるくる回転する「人間独楽回し」。圧巻でした。フィギュアスケートのペア競技、ロシアに勝てるわけがありません・・・ アイリッシュ・ダンスの今回のプリンシパルは、女性も男性もさらさらのブロンドで、まるで女王様と王子様のごとく華やいでいたのもよかったです。
 公演の後は、ホール近くのイタリア料理点でTarlin母様の誕生日を祝い、お開きとなりました。それにしても、数ヶ月ぶりの大阪の人混みはめまぐるしく、どっと疲れました。福井の静けさ、安らぎます。