大阪フィルハーモニー交響楽団
              スプリングコンサート

平成15年(2003年)4月29日(火曜日)
フェスティバルホール
15:00開演


指揮: 西本智実
独奏: 大谷玲子
語り: 旭堂小南陵(ピーターと狼)

 西本さんとの出会いは、2002年12月31日大晦日。 Erill ・Tarlin 家では、紅白歌合戦を見終わった後は、毎年、大阪テレビで放映されている「ジルベスタ・コンサート」を見ます。井上道義さんのカウントダウン演奏が終わった後、西本さんがロシアのボリショイ交響楽団で活躍される日本時女性指揮者として出演されました。それが、きっかけとなって一度演奏会に行ってみたいと思っていて実現したのが、この演奏会です。
 

 ずっと、楽しみにしていた演奏会。いったいどのような指揮をされるのだろうと期待が、いやがおうにも膨らみます。最初の演目はプロコフィエフの「ピーターと狼」で、なんと噺家の小南陵さんの語りとの掛け合い演奏。そして二曲目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で新進気鋭の大谷さんとの共演。この二曲を聴いて、西本さんの人柄を感じることが出来ました。それは、小南陵さん、大谷さんとを、とても気遣いながらタクトを振っておられるのが、ひしひしと伝わってくるのです。指揮者が協奏曲のソリストを気遣うのは当然と言われればそれまでなのですが、ある意味それを越えてソリストの持ち味を大切にしようとされるとても気持ちのいい演奏でした。

 そして、最後の演目であるムソルグスキーの「展覧会の絵」。 私たちはこの演奏が終わった後、しばし呆然としました。このように土の臭いがする展覧会の絵を聴いたことがなかったからです。なんと表現すれば良いのでしょうか、言葉にすることはとても難しいのですが、「ロシアの風景が駆け抜けていった。」そのような気分でした。これは、私たちの思いこみかもしれませんが、この演奏こそが、西本さんがロシアの人たちに支持される理由なのかなとも思えた、そのような演奏でした。