Fjell og Bre
トロルスティゲン/Trollstigen

 オンダルスネスからガイランゲル・フィヨルドに向かう道は、 ほどなく黒々とした岩山に挾まれた谷間へと入り、トロルスティーゲン(「トロルのはしご」の意)という名の、険しい坂道にさしかかります。

 道は、大きくカーブを描き、左右に折り返しながらはい上がるように進んでいきます。車窓から道の下を見下ろすと、絶壁の底にマイエレダール渓谷を臨む、ともすると滑り落ちて行きそうな、目の眩むような光景が拡がります。その眺望は、恐ろしいまでに圧巻です。

渓流

 トロルスティゲンの峠を越えると、しばらくの間、道の左側をほとばしる渓流に沿って走ります。清冽な碧い水から、雪解けの鋭利な冷気が漂ってくるようです

 バスは、こんな風に、観光客のためにポイントで停車します。

 夏の間だけ、バスはガイランゲルの町を越えて、冬の間は閉鎖されている山岳道路を上っていきます。ここでも、厳しいつづら折りが続きます。

 途中、左に折れる道があり、標高1495mのノルウェーの車道の最高地点、ダルスニッパに通じています(が、バスは上りません)。この付近からは、晴れていれば素晴らしい眺望が約束されていますが、Erillが通った時は、いかんせん、曇り空で何も見えませんでした。

 道は、岩山に雪と水の点在する荒涼とした高地を越え、ロングヴァトネの湖の畔でバスを乗り換え、その先は山地を下りながら山間の町ロムへと向かいます。
 

 

ソグネフィエル/Sognefjell

 ヨートゥンヘイメンの麓を抜けると、今度はソグネフェイエルの山中へと上っていきます。

 クロスブ(Kossbu)付近には、標高2000mクラスの山々が峰を連ね、夏でも氷河と万年雪が稜線を覆っています。


 ソグネフィエルを越えると、道は平地に向かって下り始め、ソグネフィヨルドの分岐したルスタフィヨルドの畔へと降りて行きます。

エルヴェセータ−/Elveseter

 ロムからは、一路、ソグンダールへと向かいます。しばらく行くと、右手に大きく、雪を頂く山々が見えてきます。2000m級の山々が連なるヨートゥンヘイメンです。北欧神話で巨人族の住処とされる山塊です。

 8月のある日、スタルハイムからバスを乗り継いで、ガイランゲル・フィヨルドを訪れました。ヘレシルトからガイランゲルまで船で渡り、神秘的なフィヨルドの姿を仰いだ後、バスに乗り換え、山道をひた走ります。岩山の頂上から底までを、氷河の刃で一気に削いだような、黒光りする峻烈な岩壁を縫って、バスはトロルスティゲンという険しい坂道に出ます。ここを越えるとオンダルスネスです。Erillは、3日間でスタルハイムまで戻らねばならない都合上、オンダルスネスからこの道を引き返しました。

エルヴェセーターは、ノルウェーの最高峰ガルホゥピィゲン(標高2469m)の麓にある村です。古い農場を改築したホテルが一軒立っています。