旅で出会った数々の想い出。 それらの一端を思いつくままに書いてみました。
旅に行くと何よりも気になるのはやっぱり「お天気」。特に、南の島では、雨に降られると本当に何もすることが無くなるです。せっかく、のんびりしに行ったんだから、日がなホテルで「ぼけっー」としてればいいようなものですが、そこは貧乏性の典型的日本人である Elli & Takaは「航空運賃を払って、はるばるやってきたのだから・・・」という呪縛から離れることができず、どうしても明日のお天気が気になります。
また、パラオでのオプショナルツアーは原則、「前日予約」かつ「雨天決行(すなわち、雨だからと言って当日キャンセルすると、キャンセル料は100%)」です。 流石に、何もすることが無いからと言って、高いお金を払って、雨に濡れてまでツアーに行くほど粋狂でもないので、やはり頼りは、そうです「天・気・予・報」です。 しかし、パラオでは公式の天気予報は無いらしいのです。乾期とは言え、日本の梅雨時と同じくらいの降水量があるパラオ。オプショナルツアー一つを頼むにしても、中々リスキーです。
そんな状況の中、元来が小心者の Elli と Taka は、まるまるこのリスクを負うことも出来ず、なんとか情報を集めようとしたのでした。まず、当てにしたのはインターネットです。我々が宿泊したPPRでは、インターネットを行うための端末(もの凄く遅いです)を貸してくれます。そこでアクセスしたのが、旅に出る前、日本でもチェックを入れていた次の二つのサイトです
yahoo America のお天気サイト wounderground社のサイト
ですが、両方のサイトで予報が180度違うことがあるのです。(一度、お試し下さい)
かくなる上は、我々の旅の手伝いをして下さったベラウツアーの方(中村さんとおっしゃる方がPPRのツアーデスクに16時から17時30分まで駐在されます)に、ずばりお尋ねです。 そして返ってきたのは、「我々も、晴れることを願っているのですが・・・ まぁ、何とも言えませんね。 ただ、衛星写真を見る限りでは、安定していて崩れる気配はなさそうなのですが・・・」 「えっ、衛星写真?」 「そうです、ホテルの掲示板にも貼りだしていますが、ご覧になっていませんか。」 「なっていません・・・。」
つまり、こうです。衛星写真を見て雲の状態から、俄気象予報士となって自らのカンで明日の天気を予想するのが最も確かのようなのです。 ちなみに衛星写真は、米国のNOAAによるもので、 こちら からご覧になれます。
ロックアイランドを2日連続で巡るうちに、TarlinとErill気になる場所が現れました。その日のツアーで最も遠い目的地に行って引き返す際に、途中、小さなサンドバンクが出現しているのです。時間は午後1時から3時、地点はロング・ビーチの出来るオモカン島からロックアイランド有数の写真の名所であるナチュラル・アーチの間、という漠たる認識しかありません。碧色の海に点々とばらまかれた緑の小島。そのきらめくような青い風景の中に、夢のように忽然と浮かぶ純白の砂の丘。そこに戯れる数羽の海鳥。それは一目見ただけで忘れられない、詩的な光景でした。
パラオでの休日も残すところ1日となった我々、既成のロックアイランド・ツアーには一通り参加したし、出来ることならこの絵のような白砂の小島に上陸したいと願うようになりました。そして、思い切ってボートチャーターをするつもりで、ホテルのツアーデスクで、現地旅行社のお姉さんに問い合わせて見たのです。
はっきりした場所は分からないので、大体の場所を言うと、チャーターボートは高額ですし、何か方法がないか、他のスタッフに電話で問い合わせてくれました。「そうですね、ツアーの帰りで見られたのなら、もう一度、既成のツアーに乗って、その時にスタッフに頼んで寄ってもらうのが、リーズナブルで良いでしょう。場所は、現地の人がパラダイス・アイランドと呼んでいる所じゃないかと、パラオ人スタッフのロビンが、言うんですが。」
パラダイス・アイランド!確かに、天国のような光景です。もっともサンドバンクが出る場所は他にもあるし、パラオの人々は自分の目に付いた場所をおのおの好きなように呼んでいるので、ロビンさん一人がそう呼んでいるだけかもしれないし、そこが我々の言っている場所かどうかは分からないとのこと。
いずれにせよ、明日はパラオ最後の休日。島内巡りも興味はありますが、七色の海に出ないのももったいない話です。既成ツアーなら、初回のジャーマンチャンネルツアーは曇り空で、本来の海の色を見ることが出来なかったし、Erillも日本で引いていた風邪が治りきっておらずシュノーケルを堪能しきれなかったので、再度ジャーマンチャンネルツアーに参加することにしました。
お姉さんの話では、航路については、その時々の潮流や風の具合によって変わるので、サンドバンクに寄れるかどうかは残念ながら確約はできないとか。でも、我々のために最善を尽くしてくれ、スタッフの中で一番日本語が達者かつ「パラダイスアイランド」を熟知していると思われるロビンさんをガイドにつけてくれることになりました。ロビンさんはとても陽気な方で、我々も既に二度ほどお世話になっています。お姉さんの心づくしに感謝して、明日のツアーを楽しみに部屋へ戻りました。
翌朝、空は晴れ、絶好の海日和です。朝食を済ませ、ホテルのロビーに行くと、昨日のお姉さんが満面の笑顔で、「ロビンを付けましたからね!」と声をかけてくれます。あの夢のようなサンドバンクに今日はいよいよ上陸できるのか?期待に胸も高まります。
ツアーの桟橋に着き、出発を待っていると、お姉さんが私達の所にやって来ました。「申し訳ありません。ロビンがそちらに同行できなくなりました。別のツアーのガイドが来なくて、そちらに行かなきゃならなくなったんです。」 え・・・・、ガイドが交代?仕方ないけど、我々の夢の砂州は・・・?それにしても、スタッフが来ないって、さすが大らかな南の島。タヒチでもニューカレドニアでもここまでのことは起こらなかったのに、さすが赤道に近いパラオ!(やけくそ)。
パラダイス・アイランドの位置はロビンにしか分からないようだし、我々ではどれだけ説明できるか分からないので、ツアーの最中に様子を見ながら船長さんにかけあってみることになりました。その日のツアーは、素晴らしいものでした。晴天の下、目の覚めるようなジャーマンチャンネル、初日では寄らなかったタートルコーヴでのシュノーケルでは、大きな魚の群れを見ることが出来ました。ロングビーチによって、いよいよ帰路。船長のイナボさんに頼んで、サンドバンクが出てきたら止まってもらおうと思いきや、船は凄いスピードで飛ぶように進んでいきます。しかも、その日は波と風の具合で前の2日とは違う航路をとったようで、景色も違います。結局、砂州の姿は拝むことの出来ないまま、最終日のロックアイランド巡りは終焉を迎えたのでした。夢は幻で終わるのが美しいということでしょうか。それにしても、我々、ニューカレドニアのノカンウィに続き、砂州の風景にはツキがないようです。どこかでリベンジを果たしたいものです。