Sofitel Coralia Motu Borabora

私たちがボラボラ島で滞在したホテルは、 Sofitel Coralia Motu というボラボラ島の中でも比較的小さな規模のホテルです。 このページでは、ホテルの特徴、見どころなどについてお伝えします。

 ボラボラ空港に降り立った後、空港には、ボラボラ島の各ホテルから迎えのボートが待機してくれています。 ポーターさんが、ホテル名を書いたボードを掲げてくれているので、旅行者は自分の滞在するホテルのポーターさんの傍に行くと、荷物をボートに積んでくれます・・・ と言うのが一般的な光景です。  ただ、私たちの場合は、どこに行けば分からずにオロオロとしていると、腕っ節の強そうなお兄さんが、「Sofitel Motu?」と声をかけて来て、「あぁ、この人が連れてってくれるんだ」と分かりました。

 そうなんです。ボートに乗って得心したのですが、Sofitel Motu に行くのは、我々だけだったのです。つまり、最後まで取り残されているのが “Sofitel Motu 滞在者” という訳ですね。 Meridien とかが大型のクルージングボートで滞在客を満載して港を去っていくのを尻目に、私たちだけを積んだ Sofitel Motu 行きのかわいいボートはしずしずと港を後にしました。

 そして、約15分くらいして、ボートは Sofitel Motu を正面から見渡せる前で停まってくれました。 お兄さんは何も言いませんが、恐らく、「写真の好きな日本人よ、ここからのホテルが最も美しいから写真を撮りたまえ。」ということなのでしょう。

確かに、海の上に小さな島がぽっかりと浮かび、そこに水上コテージが並んでいる、お伽話に出てきそうな風景でした。

 

 ボートは程なくホテルの桟橋に接岸しました。すると、待ちかまえていたお兄さんとお姉さんに、ホラ貝とウクレレみたいな楽器でお迎えしていただきました。

 このあと、部屋(No.117)へと案内されて、トロピカルジュースを飲みながら、お兄さんから、色々と説明を受けました。 と言っても、なんと お兄さんは日本語は望むべくもなく、英語もほとんど片言程度しか話せないのです。 ですが、人間そうなれば、かえって度胸がすわるというものです。そう、残るは、“ボディランゲージ”です。お兄さんは全身を使って話して(?)くれますし、私たちもなんとか、聞き取ろう(?)としました。なんか、とってもいい想い出になりました。

 

 コテージは、オテマヌ山に向かって、ほぼ横一列に並んでいます。横一列と言っても、少しずつ角度をつけているので、隣がほとんど気になりません。うまく考えていますね。

 もちろん、コテージから直接海に入ることもできますが、水深は結構あります。やはり泳ぐのであれば、丘を越えて、モツの北側に出るのがベストです。なんと言っても、貸し切り状態の珊瑚の海が広がっているのですから・・・

 

 

 朝日が、エントランスとその周りの木々を淡い橙色に染める様が素敵です。

 ホテルでは、朝早くから掃除をしたり、植物の手入れをしたりする方達が仕事をされています。通りがけに「イアオラナ」とタヒチ語で挨拶すると、気持ちよく返事をしてくれます。

 

 コテージのテラスに立つと、海の向こうからこちらを見守るようにオテマヌ山が佇んでいます。島を巡ると、場所によって姿が変わってゆくオテマヌ山。Sofitel Motu から見る山容は、平たい主峰が鷹揚にそびえ、島を護る神がゆったりと厳かに座しているような雰囲気です。

 オテマヌ山は、また、時間帯で表情を変えます。お天気の日の朝は、澄んだ光を受け、時には一筋の雲のたなびく晴れやかな山容を、頂上まで顕わしてくれます。お昼前になると雲が頂きをと取り巻き、午後にはほとんど見えなくなってしまうこともありました。夕暮れになると、再び雲が晴れ、残照の中に黒いシルエットとなって浮かび上がります。滞在中いろんな表情のオテマヌ山を見ましたが、Sofitel Motu から見えるどこかしらのどかな表情が一番お気に入りでした。

 

 コテージを結ぶ桟橋からモツの丘を少し上った所に、大きなとんがり屋根の建物があります。建物の入口付近がフロント、そして奥がレストランです。中に入るとパンタナス葺きの高い天井に、ポリネシアの民芸調インテリアが、ゆったりした南国らしい空間を醸しています。

 朝食は、アメリカン・スタイル。パンが数種類にフライド・ポテト、トマト、オムレツ、ヨーグルト、フルーツ、ジュースにコーヒーまたは紅茶が付いています。かなりのボリュームですが、味は美味しく、もともと食べる量が多い私たちは、海に入る前の腹ごしらえとばかりに毎朝しっかり食べていました。

 夕食は、魚介やトロピカルフルーツなど地元の食材を生かしたフランス料理です。ビーフのマンゴーソース掛けや、マヒマヒ(シイラ)を使った料理は、工夫された良い味でした。美味しさの中にも、どこか垢抜けない、素朴な味わいがタヒチらしかったりします。大変な量なので、二人でメインもしくは前菜を二皿頼み、分け合って食べました。対岸の姉妹ホテルSofitel Mararaのレストランも利用できます。私たちも一度夕食を取りましたが、Motu とよく似た味付けでした。

 レストラン棟の前は、小さな庭園になっていてます。丘の斜面を小さな滝が流れ落ち、熱帯植物が木陰を作っています。そして、ポリネシアの神様ティキの石像が、桟橋へと降りる階段を守っています。モツに降り、また去っていく人々を見つめているかのように。